札幌のレコーディングスタジオヒットスタジオです。機材紹介の第一段としてRUPERT NEVE DESIGNS portico 5012 マイクプリのレビューです。
portico 5012の音質は?
トランスが入っているので、ローミッドが豊かなマイクプリです。非常に情報量が多いので、録音後のEQ処理で高域を上げるなどの処理を行なってもしっかりとしたサウンドです。
ビンテージのNeve1073などと比較しても、最近の機材ではありますが丸目の重心が低めのサウンドです。
portico 5012に向いたソースは?
ドラム、ボーカル、ベース、なんでも対応できるプリアンプですが、特筆するべきはギターの録音です。
ギターアンプ録音時のレゾナンス成分が、マイクプリによって非常に印象が変わりますのでマイクプリの選択が非常に重要です。portico 5012で歪んだギターサウンドを録音する場合、歪成分がピーキーにならず、豊かな中音があいまって嫌味のない太いサウンドに録音することができます。
ミレニアなどのハイスピードでクリアなマイクプリでギターサウンドが嫌味に感じられる場合などに非常に良いマイクプリです。
また、高域が暴れがちな三味線の録音には非常に良かったです。高域がピーキーなソースであれば、嫌味なく録音することができます。
portico 5012のSILKスイッチ
RUPERT NEVE DESIGNSの製品に搭載されている「SILKスイッチ」ですが、portico 5012にも搭載されています。
弊社にある他のRUPERT NEVE DESIGNS製品にも搭載されていますが、往年の名機の音の太さと豊かなプレゼンスが与えられるスイッチですが、実際はなかなか紳士的なかかりのするスイッチで、一聴するとそこまで音質変化はありません。
しかし、ミックス時にはやはりその効果を感じ取れるあたり、非常に優れた機能だと感じます。
portico 5012がマッチするマイクは?
現代的でレンジの広いマイクなど、高域の丸さが嫌味を消してくれますので非常に相性が良いかと思います。
弊社の所有マイクであれば非常に高域が伸びる繊細なキャラクターのsE Electronics Z5600などを使った場合に非常に素晴らしいバランスで録音できます。
最後に
やはりルパートニーブ氏の名を冠したRUPERT NEVE DESIGNSの製品ですので、非常に太い存在感のあるサウンドが特徴です。
音質が気になる方は是非、ヒットスタジオにお越しください。スタジオ見学も承っておりますのでご利用をご検討中の方はご連絡ください。